
が、その地域にあるさまざまな集合集団・組織の一員となっている場合、その役割や責任が特定の人に重複せず、多くの人に行き渡っているか。
?Dその地域に住む人々に共通する事柄に関心を寄せ、共に担っているか。
?Eその地域に住む人々に共通する事柄に関心を寄せ、共に担うにあたって、その地域の特定の人々や特定の事柄に限定してはいないか。
?Fその地域の伝統的な慣習・行事などを尊重しているか。
?G新しく発展した地域であるため、伝統的な慣習・行事がないと考えられている場合、その地域の人々と協働して、新しい慣習・行事を探究しようと試みているか。
?H青少年の豊かな成長を支える地域についての未来像を地域の人々と語り合い、理想として掲げる作業に参加しているか。
?I青少年の豊かな成長を支える地域についての未来像を地域の人々と語り合い、理想として掲げる作業に有効な情報の交信ステーションとして、「青年の家」が機能しているか。
■5つの提案
立地条件、設置年数、歴代のスタッフ構成、試みられたさまざまな事業、設置者などの要因によって形成される個性を各地の「青年の家」は獲得している。
当然のことだが、「青年の家」を動かし青年たちに魅力を与えているのは、そこにかかわっている管理責任者、専門指導者、職員などのスタッフおよびボランティアをはじめとする支援者の人柄や技能であることはいうまでもない。たしかに、施設の管理運営の刷新に成果をあげている「青年の家」を訪れると、ハッとする緊張感と同時にホッとする気持ちを味わう。このことは後にふれるが、指導性の向上や人間味を深める方策すなわち新しい研修システムにかかわってくる。
“地域に根ざす”ことが青少年教育施設における人間的側面を生かし効果的に発揮させる要因ということをここで確認しておきたい。
そのことは、「青年の家」とそこにやってくる青年がどのように地域に根ざすのかという側面と地域が「青年の家」と青年にどのように根ざすのかという双方向の側面を持っていることを意味している。
ともすると、「青年の家」の側は、持ち込んだ施設とよそ者としての青年という立場から地域を見たり地域にかかわることが多く、利用する自然資源、人間資源の宝庫として地域を決めつけていることが多い。その反面、地域の側は「青年の家」が地域にとってどのようなメリットを与えてくれるのかということを強調し期待することに終始しかねない。
そうではなく、地域は「青年の家」を地域を構成するかけがえのない資源として認識し、「青年の家」は自らを地域を支える一つの大切な要素であると自覚することが求められよう。
この認識と自覚を確立する方策として、5項目の提案を以下に試みる。できるかぎり具体的に述べるが、文字量の制約のため不十分な説明にとどまる部分については、筆者に問い合わせていただくか、別の機会に直接に質していただきたい。
第1提案地域の総合診断アクション
局面は異なるとしても、人口過密の都市も人
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